僕は空想しプランを立てる

お笑い用ブログ

芸人、M-1、松本人志

今日はプラスワンでサイゾーの『この芸人を見よ!』のコラムを書いているラリー遠田さんのトークライブ行ってきました。
遠田さんの他には大阪のお笑いイベントなどで活躍してる「昨日の風はどんなのだっけ?」というブログもしている織田聡史さんと言う方と、司会は業務用菩薩さん。ゲストはダイノジの大谷さん。

もう本当に内容が濃すぎて始終前のめりで聞いていました。こんなに胸が熱くなるイベントも珍しいです。

私の意見はそこまで加えず淡々とレポする予定ですがメモもなんにもとってないので、話は前後しまくりだし「こんなような事を云っていた」というライトな気持ちでお楽しみくださいな。

 

 

PLANETSという大手出版では書きにくい自費出版ならではという事を100ページに渡ってお笑いの批評をしている雑誌の出版記念イベントで、雑誌の内容はNONSTYLEを巻頭TOPにレッカベで活躍してる芸人のインタビューオススメ若手芸人の紹介などもありますが、全体的に基本話の中心は松本人志ありき、といった印象を受けていました。

今日も松本人志とはなんなのか、ということについて話してました。

90年代当時、強い意志と主張を持って書き綴っていたベストセラー本と、ごっつええ感じというこだわり作り込まれた番組を生み出していたということで松本信者と呼ばれるまでのファンや、業界内の強い支持で松本人志は芸人のカリスマと崇められ、今現在もその色は濃い。でも松本人志も完全な人ではないですから、強い主張をしていたと思ってた意見は時が経てばあっさり変えるし、(ドラマでたり、芸人がキャッキャする番組やったり)「正直それはどうなのよ?」と思うようなモノも作ったりします。でもそれすら云えないような空気があるのは本人ではなく、周りの人間が「そんなこと云わなくてもいいじゃん」と威厳を保ち続けて来た末の事ではないかと。

だけど、かつてダウンタウンの直属の後輩だった今田さんが「昔と言っている事とやってることが違う!」と本人目の前にして批判したり、東野さんはボケの人が無表情でボケをすることを「ダウンタウン病」と揶揄するという「ダウンタウンのカリスマ性や威厳をイジる」という行為に出ています。それはダウンタウンを引きずり降ろす事ではなく、かつてさんまさんを「この人裏では恐いんです」と文句を言うナイナイのように、後輩がその人の持っている威厳というバリアのようなものを壊す事によって違った面を見せられ、更なるステップアップをする、それと同じことだと。
しかも結婚というグッドタイミングもあって「うちの嫁が」や、更に近いうちに「オレとこのガキが」なんて云う隙ができたのだから、ここは今田東野さんに続いて周りが松本人志のカリスマ性、ダウンタウンを取り囲む威厳を壊して行くべきだと。

有吉さんが「ダウンタウンさんの威厳とか邪魔くさいじゃないですか?」と松本さんの番組で云ってましたね。その時の松本さんの反応は「それは有吉は悪くないわ」といった感じで自分の目の届かないところで自分を盾にしている人間がいて申し訳ないと云う風に見えました。

かつて『いろもん』という番組でダウンタウンに散々いじられた鶴瓶さんが「浜田も数年後は後輩にいじられるようになるぞ」「だってこんだけ恐いというイメージがあるからそこ突いたら面白いに決まってる」と言っていました。ここ数年浜田さんにもその時期が来ていたし、今度は松本人志をと言う流れはもちろん考えられる話ですね。

あとあれだけ「芸人を語る上でのバイブル」とされてたベストセラー本を「あれは軽く読み流してくれればいい」と松本さんが云っていたと聞いた時はビックリしましたけどね。『いろもん』で同じお店に来ていたナイナイ岡村さんに「後輩やし、ええやん、おいで」と軽く誘ったけど、当の岡村さんはずっと正座で緊張しすぎて「僕帰ります」とすぐに帰ってしまったという話をしていましたが、「ダウンタウンのチンカス」発言も「軽く読み流して」という気持ちであれば、松本さんが岡村さんを誘う行為も納得出来ますが、流石にその話では岡村さんに同情する人の方が多いでしょう。いくらなんでもそれ読み取るのは無理ってなもんです。そう考えたら当時あれを「軽く読みながして」なんて出来る人いたのかなぁ。

今まで芸人として作り上げて来た物はそりゃ凄いけど、実は隙だらけの松本人志をいじって威厳をこわしてて違う面を見せれるようになれば、更なる飛躍になるんじゃないか、と言うような話だったと思います。

あと最後の方で大谷さんが松本人志の凄いところは発想などの聴覚に置ける笑いもそうだけど、「すべらない話」などの企画を発明する能力が長けているという点。「本人達は本当に緊張してるか知らないけど格闘技的緊張感を演出するとことか素晴らしい」と云ってましたね。企画力とその演出力の素晴らしさが凄いと。それは納得してしまいました。

 

でも私はあの派手な演出あんまり好きじゃないなぁ。いや、キャッチフレーズをつけたり、登場が派手なのは別にいいんだけど、周りに有名人を置くと言うことがなんだか恥ずかしいと言うか、くすぐったい気持ちになるんですよね。なんかね。

 

 

ここからは後半、ゲストにダイノジ大谷さんをまじえてのトークです。

 

芸人さんとか業界の方は、その業界の事を多くは語りたがらないそうですが、大谷さんはブログでも熱く語ってますね。私は大きな賞レースが終わると必ず大谷さんのブログ見に行きますから。

・芸人にとってブログとは。
「若い全然売れていない子は舞台に上がるのなんて1月に1度くらいだから、誰も知らない先輩と誰も知らない同期でどこどこに行きましたなんて報告しなくていいから面白い事を発表した方がいいと思う。ガリガリガリクソンキャベツ確認中のキャプテンザコ
のブログはそういう意味で凄く注目してるし面白い」と大谷さん。
ガリガリガリクソンは自分でムービー回して画像上げてるし1000あるコメント全部返してるなんてこともしてる。すげぇ。「今は画像を上げられる環境があるんだから、ラジオでもロケでも撮って流したら面白くなる」そうだよなー。
キングコングの西野君はよくも悪くもブログ更新したら絶対注目される。芸人がネットで1番成功してるのは彼だと思う」スレたってるくらいだもん、内容はどうあれ注目度という意味では成功。


・ショートネタブームについてどう思うか?
この芸人は本当は長いネタが面白いのにとか、芸人が無駄に消費されてしまうとかマイナス要素も感じるショートネタ番組について。
「全然いいと思う!」と大谷さん。「だってキャベツ確認中とかがちょっととはいえゴールデンのテレビ出てるんだよ!凄くありがたい話じゃん」「例えばオードリーとかって、今でこそ春日君のキャラも認知されてるけど、何も知らないであのキャラでやる漫才を10分放送するとかになると、どんなに面白いと思ってもプロデューサー凄い勇気いると思うのよ」
数分だったら推しやすいし、しかも今田さんや東野さんといった「絶対拾ってくれる人」がいるんだからこれはありがたい話だと。

私は興味あったら別の番組でも注目したり、もっと観たいと思ったらライブ観に行ったりします。でも皆が皆ショートネタ!ショートネタ!言い過ぎるのも気持ち悪いとは思います。あくまで見せ方の一つとしてという位置づけが理想ですね。

・芸人について観ている側はブログでどのように書くべきか
お金をとっていない場合は、好きに書いたらいい。遠田さんのサイゾーのコラムは「今更何当たり前なコト書いてるの?とか云われるけど、改めてその人の当たり前な事について書いている事は意外と少ない。そのコラムが芸人を語る上での軸になってくれればいい」という気持ちで書いているそうで断定的な書き方も「ブログなどにリンクを貼って議論をおこしてもらえるようにわざとそうしている」という。「お笑いの見方や意見を出し合い活性化させる切っ掛けになればいい」みたいなことを云っていたかな。
M-1アメトーークなどで一般は提供されたモノをただ笑っているのではなく、あの審査員はこうだったけど、自分は誰に何点つけたとか、あの企画は面白かったなどと言い合う風潮はいいことで、芸人ドラフト会議という企画がまかり通るものこの風潮あってこそ。あの企画はその芸人がどんな能力を持ってるからというのを視聴者も理解しないといけないきかくだからなー、確かにそうだわ。


・S-1について
「あれこそ凄い若手の子がどんどん参加すればいいと思う。出来れば年収100万以下とかの制限作ればもっと面白い。全然知らない、でも面白いと思う人同士が決勝でぶつかって1000万取るなんて凄い夢のある話じゃん!1000万を全然お金のない若手の子がどんな使い方をするまでいちいち報告するまでやったら完璧!」
という大谷さんビジョンを発表。ケータイ会社が許さないと思うけどドラマも夢もありますわね。

「でも画質がどうとか規制が色々あってムービー作るのにもスタッフが揃わないと難しい面もある」
しかも結局最後も人気投票みたいになるんじゃねー。微妙だなS-1。
それ以上に大谷さんが懸念している事は、
M-1に変な影響与えたら嫌だよね。だってS-1で優勝して1000万取った人がその年のM-1で優勝して1000万って、俺は絶対気分盛り下がる」

うわーいやだなー。

あと1億円をかけたレースもどうなるのかなぁ、と言う話も。
「司会誰が勤まるの?それ」

 

 

最後にM-1について。

 

M-1の話を聞いて思ったことは
『今年のM-1は前年の準決勝から始まっている』ということ。
やはりその年に初の決勝に進んだ人は前年の準決勝もしくは敗者復活の評判が非常にいいらしいです。前年それらを観ていたお客さんが「面白かったのに惜しくも決勝に進めなかった、けど今年はいってくれた!」という大きな期待と喜びで送り出してくれると言うドラマも生まれるわけです。そらM-1盛り上がるわ。

2008年の決勝のメンツは準決勝時に笑いの大きかった人らが合格した印象があったから、周りからそんなにブーイングが出た印象がなかった。
ザ・パンチとか凄かったんだよ。決勝はああだったけど準決勝は会場揺れたんだから」
本当にあれは事故にあったとしか思えない。
「敗者復活戦でのオードリーのせり上がって来た時の登場は凄かった。
春日のキャラも凄いけど、注目すべきはやはり若林の方。あいつは3.4年前から大喜利で敵無しの奴がいると評判だった」
へー、大喜利強いのは知ってるけどそんな前から。

M-1は3年周期というのがある。
ダイノジは2004年が自分たちでも一番いい出来だと今でも思ってるし、当時も絶対に決勝に行くと思った。
同じく大阪では10$が決勝に行くほどと思われるほど受けていた。けどその年はアンタッチャブル、南海やタカトシ東京ダイナマイトなどのニューフェイスが揃った。2003年までと方向性を変え、新しい漫才スタイルを求めたメンツを揃え、大谷さんも準決勝を観ていた織田さんも「そっちか!」となんとなく納得したと言う。
後日大谷さんは関係者に「ごめんな」と謝られたが救いになったと。05~07はなんとなく審査員が迷走した印象がある。

チュートリアル全票入ったて、あまりにもダントツすぎるでしょう」
という疑問もあり、2008年一番会場で受けていたノンスタが優勝したのには「審査員がお客さん目線に近くなりつつあるのかな」と気になる事云っていたのは誰だったかな。

因に遠田さん、織田さんはじめとするスタッフの方の今年のM-1予想で名前がでたのは、ノンスタ(出れば)、オードリー(出れば)、ナイツ、笑い飯、ダイアン、
モンスターエンジン、ヘッドライト、プラスマイナス、イシバシハザマクロンモロン、マジカルラブリー、流れ星、ハライチ、磁石、ノンスモーキン南海キャンディーズチーモンチョーチュウ。(他にもいたと思いますが思い出したのはこんなかんじ)
最後の二組は2008年の準決勝、敗者復活を観てと言う結果なのか結構票が入っていたとのことです。特にチーモンチョーチュウの評判が凄い!去年の敗者復活ではオードリーと僅差だったらしいです。
「磁石とか漫才ばっかりやっている人は小屋のある事務所に所属した方がいいと思う。18kinとか号泣とか、面白いのに発表する場がなくて解散しちゃうのはもったいないし悲しい」と大谷さんの熱いお言葉。
因に大谷さんは「ノンスタイルが出るのなら決勝はいくんじゃない?ラストイヤーの笑い飯に優勝してもらいたい」とのこと。前年度優勝者が軸になる大会もおもしろそうですね。

M-1は芸歴10年までだけど、漫才のスタイルを壊して挑戦できるのも10年まで。10年以上は子供から年寄りまで笑わせる芸人にならないとこの先やっていけない。そう考えると10年規制の意味がぐっと深まりますね。

あとM-1は当事者、そして外野が凄くアツい。「M-1はネタを真剣に見る、そして批評して議論する楽しみ方を生んだ」
確かにM-1の後はお笑いを語りい気になるし(もちろん私も)他の人が語っているのを見るもの楽しい。

だから今回のイベントも喜んで行ったわけで、そして「すげー話が聞けたな」と満足して帰って来た訳で。

他にも色々話してましたが、とぎれとぎれで構成が上手くいかないので、今回はこれで終りにしたいと思います。

ご苦労様でした。


ちなみに、ラリー遠田さんは若手の芸人さんみたいな細いちょっと気の弱そうな雰囲気のするおにいさんでした。言葉を選んでいたのか口数も少ない印象。もっと年いってて自信満々で鬼のように話す人だと勝手に思ってたんでビックリしました。
また次があったら行きたいですね。

もうちょっと喋ってもいいと思いますよ。