僕は空想しプランを立てる

お笑い用ブログ

第三回お笑いトークラリー@プラスワン

ラリー遠田さんのトークライブトークラリーに行ってきましたよ。

前半はラリーさんと業務用菩薩さんとで年末年始の特番感想や、M-1について。

後半はおなじみダイノジ大谷さんがゲストでノンストップでお話を。

やっぱり聴き入っちゃう。いつまでも当事者でいてほしい。そして疑問を投げかけていてほしい。

 

 

一部レポします。ですが、いつもにも増してしっかり覚えてません。こんなような話をしてて、その話を私が再構成したと思いながら読んでください。


今回のダイノジ大谷さんの話の中心になっていたと思われる2つの事。

M-1

笑い飯について
芸人の楽屋でもっぱら話題になっているのが優勝者でもなく、鳥人でもない、『チンポジ』。「あいつらアホだ」「やりやがった」という賞賛。

笑い飯は大谷さんがどこか心の片隅で思っていた「ロマン」をやってのけた。最高の舞台で誰もが「優勝はこの人らだ」と思わせるほどの実力を見せつけ、優勝がかかった舞台であんなバカバカしいネタをやってのける。芸人としてあんなカッコいい事はない。

笑い飯は今まで積み重ねて来た話題も影響力もある賞レースでもあり笑い飯自身の知名度も上げた『M-1』を打ち壊しだした。M-1をチャカしたのだ。ブログのおかげで素人でも批評が出来る世の中でM-1予想をする人は少なくない。(そしてかなり盛り上がるし楽しい。昨今の盛り上がりはそういう所も少しは手伝っていると私は思います)しかし笑い飯は大会はもちろん、「優勝は笑い飯と予想」と盛り上がる人たち、関わる人たち含めてチャカしたのだ。(この時大谷さんはラリーさんにも「ラリー君も笑い飯になめられてるんだよ、しっかりしないとダメだよ」と言及)
2本目で鳥人的なネタをやれば優勝は確実。しかし持って来たのはチンポジネタ。「あいつら優勝する気なんかないでしょ?」「哲夫が冒頭で10$の名前を出してマイケルジャクソンの真似をしてた時点でその片鱗が見えてたんだよね」という大谷さんの言葉が物語っている。

案の定芸人、ネットやお笑い好きの話題をさらったのは笑い飯。これは本当に「M-1で優勝する」ということを目標にしている芸人にとって恐ろしい話で、今後漫才の実力者が満場一致で優勝したとしても、優勝向きではないにしろ発想力や表現力に魅力を感じる人たちがあんな行動に出られたら、「ああ、今回の優勝者は君らねー」とあまり話題に上らずM-1優勝の称号が軽いものになってしまうのではないかという不安。

でもこの大会は終わるか、体質を変えるかしなければいけない歪みが存在する。


・審査員問題
準決勝から決勝には、ネタ、実力はもちろんそれプラス何か付加価値を持ち合わしてる人たちが上がっている。新しいスタイル、独自の色や風をまとったコンビ。それを決めている審査員は大会に関わっている作家陣。決勝の審査員は一人もいない。決勝を審査する人が準決勝を審査した人と同じ感覚で審査するだろうか。そんなことは全くない。むしろ準決勝と決勝の審査基準が違いすぎて頭を抱えている芸人もいるという。

しかも、審査員個々の確固たる基準が視聴者に見えていた審査法(弟2回はますだおかだよりフット、3回はフットより笑い飯の方がウケていたのに、優勝者は前者なのは、やはり漫才師1番を選ぶということについて審査員に独自の基準があるのだろうと感じさせる)が昨今はあまり感じず、「ウケがよかった」という会場の雰囲気に比重を置いた審査の仕方が目立つということに危険性を感じる。これに不満を感じている芸人は少なくなく、決勝の審査員を変えてほしいと直訴した人もいるという。
(松本さんが東京ダイナマイト終りに「ふわふわしている」と会場の雰囲気についての感想を述べた事も記憶に新しい)

ポイズンガールバンドのようなナンセンスさを唯一理解してくれた大竹まことさんがいなくなったのはイタイとは大谷さん。大谷さんは今回の敗者復活もポイズンを評価。確かに、今回意味分かんないけどスゲーおもしろかったんだよね、ポイズン。

ノンスタイルは石田さんが腿を叩くスタイルはしていなかった。そもそもあのスタイルはM-1用に付け加えたものの本来のスタイルではない。08年はそれをボケ→ツッコミ→さらに自分ツッコミという付加価値が作家審査員に評価され準決勝から決勝に上がった。「今年は本来の漫才スタイルを試したくて挑戦したんじゃないかな?」と大谷さんが言うように、ボケツッコミの本来のスピード感のあるノンスタイルの漫才をしたら決勝には上がれなかった。しかし敗者復活は審査員とお客さん投票もある。それで上に上がれた。

大谷さんがそういうことも含めて敗者復活以上は「M-1オンバト化」と表現していたことに納得してしまったなぁ。


●AGEAGEの弊害
吉本には劇場があるけど、そこに上がるにはオーディションをいくつかクリアしないといけない。それがAGEAGE(LIVE/プロ/チャレンジ)でありbase吉本オーディション組になる。審査するのはお客さん。お客さんは中高生の女の子が大半。彼女らに気に入られなければ昇格しない。昇格する為に自分たちがやりたいこと、面白いと思っているコトはまず置いといて、お客さんに合わせたネタをやるというケースも一部ではあるけど実際あるそうで。手売りをするような超若手のネタを見にくるお客さんは限られた範囲。でも審査や意見は彼女達に委ねなければならない。狭い世界で行われているそのコールアンドレスポンスは本当に昇格した後のルミネなりNGKで受け入れられるのか?と言われれば不安がある。芸人として優秀な人もいるけど、面白いから昇格するというわけでもないことがまかり通っているのも否めない。所謂人気投票。
「いい例がガリガリガリクソンで、彼はNGKいっぱいのお客さんを笑わしているのに、baseではオーディション組なんですよ」
衝撃的すぎる。

この話を聞いた時にアメトーークケンコバさんがプレゼンした「刑事芸人」での「お客に気に入られようとしてファンの相談に乗ってるバカがいるんですよ!」を思い出した。なるほど、そういうことか。

そのスパイラルから脱するには対外試合をやるとか、イベント企画するなどとにかく自分で動くしかない。しかし会社からOKがでない。そうなったら耐えるしかないじゃないの。「若いコ用のネタやりつつ、自分たちが面白いと思うコトがブレずにネタ作って行けたらいいと思うんだけどね」ネタは踏ん張ればなんとかなるかもだけど、トークが内輪受けとか聞くとやはり不安になるな。環境が整ってるのに育たず朽ちて行くのはなぁ。笑い飯神大事ね。(実際笑い飯麒麟千鳥TOP時代は客足がちょっと遠のいたらしいですよ)



今回話の大きな柱になっていたのはこの2つだったと思います。大谷さんの話は講義って感じで本当ならノートとりながら聞きたいくらい。

大谷さんも云ってたけど笑い飯、本当になんであの後すぐ全国区のトーク番組呼ばれなかったんだろう。聞けよ!「なんであの時チンポジネタやったんですか?」って聞けよ!!

あとパンクブーブーはストイックに劇場で腕磨いてたから優勝出来たわけではなく、『M-1優勝』を1年かけて万全の体勢で取りに行ったからということを聞いて、M-1で優勝するという事はこれほど困難なことなのか、と強く感じました。笑い飯がどんな行動を取ろうとも優勝することに意味があるということに確固たる理由があるバンクブーブーは今回の王者は相応しい。

本当にバンクブーブーが優勝で良かった。