僕は空想しプランを立てる

お笑い用ブログ

すいているのに相席3

すいているのに相席3を見にシアターモリエールに行ってきました。今回は3公演全部行きました。だって愛しているから。

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今回の演目はこちら。正確さにはちょっと欠ける、かも。

999/姪孫/美しい声/やる気/
相席みんなのうた「十五の夜」(VTR)/雷/
EZ DO DANCE/挑戦/スズメ/
相席みんなのうたギザギザハートの子守唄」(VTR)/
アイドルの町/オンエア/終わり/
ファニーチューリップ〜単独ライブ終演後の楽屋にて〜/
ボール

アフタートーク、初日は麒麟田村さん。二日目お昼はR藤本さんとずんのやすさん、夜は鬼ヶ島アイアム野田さんとせきしろさんでした。



このレポは相席3と相席反省会も見た上で書いているので、アフタートークや反省会で出たときのエピソードなど含めまとめてレポしたいと思います。読みづらかったらそれはすみません。



999

999は記念すべき、Aさんとせきしろさん初共作のコント。社員旅行風の三人組サラリーマンの車内で浮かれた雰囲気の四人座り席にやって来たメーテル(山脇)と鉄郎(高橋)が相席をお願いすると言うオープニングに相応しい内容。浮かれまくった3人組と機械の体を手に入れたい為に長旅をするという有名な設定のある2人が相席と言う形で交わる空間が可笑しい。

前回は衣装が省エネと言われるほどでしたが今回はメーテルも鉄郎もちゃんとしていました。

冒頭の尾関さんと高佐さんが発車する前におつまみをあけるかあけないかの話をしていると、Aさんがまるで大層な口論を制するかのように言う「そこまで!」がやけに可笑しかったです。上司の前でやいやい言うなと言わんばかりに優しく、そしてこの空間が楽しいのか浮かれてちょっと大きな声になってしまうあの感じ。

台本にあるちゃんとしたセリフなのかなと思いましたが、これはAさんのアドリブだったようです。最後にナレーションで鉄郎の心情を描いたオチのセリフが入るのですが、その間ずっと3人が裏設定満載のアドリブをしていたという話も面白かったです。
「ここが代々木かー」とか言ってたみたいです。

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相席1のVTRで、北の国からの有名なラーメン屋のシーンに高橋さんが相席しているという合成コントがあったのですが、メーテルと鉄郎の隣に高橋さんがいるという合成案もあったそうですよ。

また「俺は鉄郎」「こんな所に席が空いているぞ」というセリフで始まる鉄郎の帽子で席を取るコント案があったとせきしろさん。

せきしろさんの口調で「俺は○○(名前)」「こんなところに○○があるぞ」と一昔前によく見たのコントの冒頭のようなことを言われると妙に可笑しい。

せきしろさんはみんなが何となく知っているようなことから笑いを抽出することに長けているし、また「そんな事すっかり忘れてた」「そんなところから題材を持ってくるか」と眠っていた記憶を一気に引き出して笑いを提供してくれます。起こしても支障のないどーでも良い記憶です。元首相がカイワレを頬張っていたとか、ジェンキンスさんと曽我さんのキスだとか。

そこのチョイスの妙と見せ方のマッチングがせきしろさんの作家としての素晴らしいところだと思っています。




姪孫

キングオブコメディ高橋のラジオ(作家を傍らに置くタイプ)にきゃりーぱみゅぱみゅが出演予定していたものの、インフルでキャンセル、その代わりにやって来たのはデビューしたてのきゃりーの大叔父という続柄の「入れ歯かむかむ」。

殺陣師左近や流しの兄弟に引き続く、Aさんの自由度の高いキャラクターが魅力のコント。
「きゃりーが姪孫(てっそん)!入れ歯かむかむでございます!」
とリズムの良い自己紹介を持っているラクダの上下姿に杖をついてる完全おじいちゃん姿のAさん。
Aさん曰く「おじいちゃんのアイドルがやりたかった」そうです。

草加せんべいをアヒルの口のように口につけてパクパクしながら、「週刊新潮は、今日発売でーす」言葉のチョイスw(「レディースアートネーチャー、セレナ」の回もありました)放送中に博打だのチンチロリンだのその他禁止用語をちりばめて話し、大慌てで注意されると「どんぶりって放送禁止用語でした?」そっちじゃないwwさっき食べたはずの晩ご飯を「食べました?」とマネージャー(山脇)に確認するいう認知症を煩っているかのような描写をしたかと思い気やマネージャーに暴言を吐きまくる。この暴言も毎回違ってたのが凄かったです。

基本ツッコミやフォローに徹していた高橋さん。
「私、あなたの大ファン!」「ドラマ全部録画してる!」
「え?あなた名取祐子さんじゃないんですか?」
ととんでもない絡まれ方をした末についには壊れてしまいそこから大どんでん返しが待っているという結末ではありましたが、このAさんの自由でとんでもないキャラクターに食らいついていた高橋さんが素晴らしかったです。

今回もAさんが繰り出す替え歌?が面白かったです。前の流しの兄弟のときは「潮騒のメモリーズ」をリクエストして"おしては〜かえす、おしては〜かえす、おしてはかぇぇす♪潮騒!(間の手)"という本家の歌詞をベースとしたオリジナルソングを歌っていましたが、今回は「入れ歯のにんじゃりばんばん」と題して『いい湯だな』をベースに"にんじゃりばんばんばん♪あざやかに♪にんじゃりばんばんばん♪きーりがくれ♪さいぞう♪…”と大変耳に残る歌を披露していました。

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姪孫(てっそん)という耳慣れない言葉をキョンキョンから聞いたAさん。
「私、姪孫になったんだー」と言っていたんだそうです。
キョンキョンが直接ではないとはいえ孫…と驚きましたよ。

何かの飲み会で丁度きゃりーさんの事務所の方がいらしていて「こういうコントがあるんですけど…」と聞いてみたら「別に良いと思いますよ」OKが出たとAさん。事務所の方心が広い!
きゃりーさんお笑い好きですもんね。




美しい声

学ラン学生帽姿の高佐耽美コント第二弾。相席第一回に披露した「美輪さんとかくれんぼ」と同じキャラクター。今回はIKKOさんを探し彷徨う。青年をいたずらに翻弄する「どんだけ〜」と鳴く鳥を彼は「きっとIKKOさんが飼っていたのだろう」と思い、鳥を便りにIKKOさんを探し求めたどり着いた洞窟を彷徨うという、これまたクレイジーな設定のコント。今回は眼帯もつけていて耽美さが増していました。

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このコントに関しては作を担当したせきしろさんが「このコントは裏設定しかない」と言う事でアフタートークや反省会でたくさん裏設定を話してくれました。

・よく言えば『お芝居』悪く言えば『怖いCM』ファンヒーターを回収してます、のCMとかそういうの。
・この青年とIKKOさんは一度キスをしている。しかしこんなに若い青年と関係を持つ事に罪悪感を持ったIKKOさんは青年の前から姿を消したが、青年は探している。
・青年が眼帯をしている理由は「どんだけ〜」で振った指が目に当たってしまった。
・IKKOさんは彼から光を奪ってしまったが、彼は二つ目があると余計なものを見てしまうから、片方見えない方がちょうど良いと思っている。
・この青年は美輪さん→三島由紀夫→IKKOと関係を持っている(?)。
・本番始まる前日とかに「眼帯をしよう」と提案したせきしろさん。もしくは包帯。

裏設定こーわい!

さらにこの設定にピッタリとも言える高佐さんの耽美学生ナルシスト的演技がパワーアップしていました。これがまた似合うんですよ。

あまりにも強烈だったので終わって帰ってすぐ絵を描きました。

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色々付け足しちゃったけど、イメージ画像としては
だいたい合ってる。




やる気

カラオケボックスで歌っている最中、時空のひずみが発生して敵が出現するもなかなか手強く一人では太刀打ちできない、と消沈している高橋の元に現れた元国会議員井脇ノブ子
「やる気!元気!いわき!」のリズムの様々な言葉で励まし助言をし二人で敵を倒そうとする、というせきしろさん作の井脇ノブ子コント。

「やる気!元気!いわき!」「勇気!覇気!いわき!」「敵!殺気!いわき!」「攻撃!平気!いわき!」「ザキ!ザラキ!いわき!」などこのリズムでしか会話をしないAさん扮する井脇ノブ子が敵を倒す最終ヒントとして出したのが「武器!野坂昭如!いわき!」カラオケのマイクで敵を殴るという、大島渚に舞台上で殴り掛かったあの名物シーン。色々ネタが乗っかってて面白かったです。

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せきしろさんがこのネタを思いついた時にAさんに「井脇ノブ子の衣装(ピンクのスーツ)持ってますか?」と確認したそうです。AさんはR-1予選に井脇ノブ子ネタで出場経験があるとのこと。スーツは「ミッシェルガンエレファントが作ってた有名なとこで作った」とAさん。お店でピンクの生地ありますか?と聞いたら丁度いいのがあったそうです。流石並木!!




相席みんなのうた「十五の夜」(VTR)

尾関豊が歌う「十五の夜」がVTRで。十五の夜をフルコーラス歌う尾関さん扮する尾関豊。二番は「15穀米」や「15%OFF」や「獣身サンダーライガー」と毎回違う内容の事が歌われていたり、画面上にそれぞれの説明のようなものが尾崎豊風にせきしろさん独自の解釈で表示されていました。(あくまでせきしろさんの尾崎豊のイメージ。口調とかちょっとおかしい)

歌詞の内容とか表示された事を軽くメモしてはみたのですが、手元にあるのは
「ゴハンもりもり食べてピンボールのスコアを伸ばせ」(15穀米)
「小粋なドラ猫」「ダンスホール」(獣身サンダーライガー
という走り書きのみだったので、このVTRネタを詳しくレポすることはやめようと思いました。いつか全文確認できたらなぁ。

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山脇さんの学生時代の彼氏が尾崎のCDを壁に貼っていたという話から、少し悪かった時代の山脇さんの話が反省会で出たのが意外で面白かったです。「自転車は低い方がいい」という名言が飛び出しました。

せきしろさんと尾関さんで「じゅう」がつく言葉をいっぱい考えたという話が微笑ましい。(例:銃刀法違反)

十五の夜と獣身サンダーライガーは文字数が合わなくて獣身サンダーライガーはどうしても早口になってしまうが、それが「エロ詩吟と同じ言い方」ということを発見していました。「いけそうな気がする〜」のとこですね。






往年のドリフの雷様をベースにした上田さん作のコント。本家同様クダをまく三人(高橋A尾関)のもとにやってきたパズーとシータ。「凄いぞ!雷様は本当にいたんだ!」ww高佐さんのパズー姿が超似合っていました。シータ役の山脇さんが雷様に向かって「あなたたち寂しくはないの?」と語りかける声の優しさが素晴らしい。そして『バルス』のかけ声で尾関さんが座っている雲がガタンと傾くという本家雷様とラピュタの見事な融合オチ!

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雷様もラピュタもそれぞれちゃんと元キャラがあるしみんなちゃんとそれに近づけようとしていましたが、中でも素晴らしかったのが、長さん役のAさん。

ドリフのコントが始まる前口上のような長さんのナレーションも凄く似ていたし
(特にコントに入る直前のナレーションのケツの部分の聞こえるか聞こえないかくらいのボヤく感じとか)コント中もずっと衰えるコトなく長さんの口調を完コピしてました。




EZ DO DANCE

山脇さんとAさんがEZ DO DANCEに乗せて踊り続け、下に敷いてあった白い塊を掲げ
A「おいしいうどんができたぞー!!」ww
シンプルなコント!!

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おいしいうどんができたぞー!の言い方のモデルはずんのやすさんだそうです。声の大きさからして納得。

アフタートークに出たほぼ全員がAさんのダンスについて触れていました。口を揃えて言っていたのが
「さすが元天然素材ですね」天素の片鱗が見えたと麒麟田村さん。

当時天素ダンスといえば芸人から見れば格好の攻撃の対象でした。しかし、時が経ちメガネ坊主で小太りの『理想的なおもしろおじさん』な風貌になったAさんが『明らかに昔踊っていた事のある人の動き』というギャップを見せている事がむちゃくちゃ面白かったです。ダンスやってたの芸人として全然無駄じゃなかった!25年くらいの時が経てますから歴史も感じる笑いでした。

アフタートークでも天素当時の話をしてくれたAさん。
ダンス教えてくれた夏先生に『木村君には違う道がある』って」w
「俺一番まじめにやってたのに!」
Aさん悔しそうでした。しかしそんなバックボーンと合わせて大変素晴らしいコントでした。

余談ですが、4月の末に月刊久馬浅草号に行って来たのですがゲストとして竹若さんがピンで出ていました。合同コントの大ラスで、みんなでフラッシュモブをやるシーンがあったのですが、そこでもEZ DO DANCEが使用されていて、今年EZ DO DANCEで踊るバッファロー吾郎が別々ではあるが見れた、というのが名誉にも似た嬉しさを感じました。
ただAさんと違い竹若さんのダンスの巧さは衰え知らずでした。ただただかっこ良かったです。岡村さんに次いで天素NO.2の実力者、流石です。




挑戦

がーまるちょばを模したギースのパントマイムコント。鞄ではなくバケツを使ってのパントマイム、最終的にはバケツに入った水を被り
「もちろん寄付もしまーす」w
「次は蛯名健一さん、ザニュースペーパーさん、コロッケさん
おねがいしまーす」ww

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一回目見たときアイスバケツチャレンジって気がつかなかったのがお恥ずかしい。
高佐さんはパントマイムを嗜んでいるので流石の出来。尾関さんも頑張っていました。尾関さんの稽古中に水を被るときの音がSEで入るのに「ばしゃあ」と言ってしまうというエピソードが可愛かったです。

次に繋げる3人のチョイスはパントマイムを意識しての人選だったと言っていた気がする。コロッケさんはロボ五木とかやるから、だったかな。




スズメ

スズメを捕まえるために餌を置き罠をしかける子供を小馬鹿にするスズメの兄弟のやり取りが楽しいコント。前回の流しの兄弟に引き続くAさんと高佐さんの兄弟ものです。口が悪く頭のいい兄(Aさん)そんな兄を尊敬する弟(高佐さん)。

仕掛けた罠は普通のエサから、リッツ、野草と変わりその度

「あんなの食べるのは沢口靖子だけだ」
「あんなの岡本信人しか食べないよ」とCMや趣味のイメージ散々馬鹿にする兄の悪態のつき方が超おもしろかったです。

最終的には桜餅の葉を餌としておかれ「あんなの食べるわけないよ」と馬鹿にする弟の横で桜餅を見つめる兄。
「兄ちゃん桜餅好きなの?」
「うん、好き」「餅はいらない、葉っぱだけでいい」
ビックリマンチョコのシールだけ欲しいのと同じ」w
指をくわえて遠くの桜餅を欲しそうに見る兄がかわいい。

スズメから連想するキーワードのバカバカしさも笑いを誘います。
兄「兄ちゃんはチュンバード大学を出てるからな」
弟「あの大学の最高峰、チュンバード大学?!」

弟「兄ちゃんかっこいい!カチューンの鳥梨君みたい!」

弟「兄ちゃん!鳥の国からの五郎さんの真似やって!」
兄「おい、チュン」
兄「ひな鳥がまだ喰ってる途中でしょうが!!」

また、兄ちゃんはカシラ(頭)が良いからね!など自らを部位で呼び兄に「部位で言うなよ!」と怒られる件も楽しかったです。「あー、まだハツがドキドキいってる」w

Aさんと高佐さんは鳥に関する色々なワードを出しあったそうです。せきしろさんかな?稽古に一回来なくて次行った時に『カチューンの鳥梨君』が足されていたそうです。かわいい。

スズメ、一番好きなコントでした。



相席みんなのうたギザギザハートの子守唄」(VTR)

バッファロー吾郎Aねーしょんというイベントでも登場したAさん扮する藤井フマナイヤが歌うギザギザハートの子守唄は会場を爆笑の渦に巻き込んだ快作なのでみんなに見てほしいです。歌詞を正確に歌っている部分もありつつ、全く違う歌詞が急に挟み込まれたりするというシンプルな歌ネタですが、その言葉のチョイスが凄く良いので笑いっぱなしでした。

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チェックの服に、エクステの前髪を長く垂らしたフマナイヤ。当初前髪の部分はせきしろさんが用意しようとしたそうです。志村けんの後ろ髪みたいな駄菓子屋で売ってる変身アイテムを何故か持っていて、それで前髪を作ろうとしたせきしろさんw
そんな馬鹿な!

結局ドンキでエクステを探す事になったAさんとせきしろさん。しかしエクステが分からないいで売り場でオロオロするおじさん二人。
かわいい。




アイドルの町

アイドルの握手会と町人と会話をしてイベントを起こすというRPG要素を見事に融合させたせきしろさんの傑作コント。

アイドルの握手会をするアイドル(山脇)とマネージャー(高橋)。他のメンバーは「I Love ゆい」のTシャツを着て並んで握手を待っているという始まりは普通の握手会のコントかなと思ったのですが、マネージャーが各人の前に立った時に
「マネージャー以外の登場人物が同じセリフしか言わない」と明確に分かった時に「あ!これRPGの町人システムか!」と会場のみんなに伝わった瞬間に流れるゲーム風BGM!そこから試行錯誤しアクションを起こしたり、それに伴って同じ事しか言わなかった人のセリフが変わったり最終的にどこかでイベントが発生したと分かる音が流れたりとゲームの知識が薄い私でも展開がパズルみたいでわくわくしました。

そういえば、みんなが着てる「I Love ゆい」の文字が8ビット風だったなぁ。なるほどなぁ。

アフタートークでもみんなこのコントが凄いと絶賛してましたね。これ別のシーンがどうなってるか見たいと思うほど続きを作ってほしい素晴らしいコントでした。

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せきしろさんはアイドルが好きで現場を知っているので握手会のリアリティを出すために、ファンの役の人には演技指導をしたり、(Aさんに「剥がされる時はもっと粘って」とか)ゲームらしい動きにもこだわりがあるらしく、Aさんが尾関さんを動かしたらイベントが発生するという流れがあったのですが
「尾関を動かすスピードはもっと遅く!」
「そのスピードは盗賊と同じスピード」などと演出をしていたそうです。楽しそう。

せきしろさんの中では色々設定があったらしく登場人物を多く出したかったので、最初は屍もいたとか、高橋が一度その場面を出てまた戻ってくると、動かした人などが全部元に戻っていたり、ゲーム内は夜の概念もあり、夜は尾関さんがカジノにいるなど、裏設定の話だけでも凄く面白かったです。

高佐は詩人にしたかった、とせきしろさん。似合う。




オンエア

オンバトが豪華客船で行われ、見事545キロバトル獲得したピン芸人ゲラゲラ高文(尾関)が客船のトラブルに巻き込まれるという尾関さんの下衆な部分をフィーチャー(?)した一人コント。沈没する船に余計なものを船から降ろせ!と人には指示するのに、545kbのボールが入った名誉のバケツは絶対に捨てないと死守する姿が滑稽だけど尾関さんは妙に似合う。

船に揺られてボールがばらまかれ、客席にも転がり最前列の人が拾って舞台に戻してあげているのに悪態をつきまくる。「返せよ!!」「お前の人生なんて2kbだ!」ww

最後はバケツの中のボール全て葉っぱになっているというタヌキオチ。このユニットライブはタヌキオチが好きだな。
「くそー!またタヌキにダマされた!」
「まてー!タヌキー!!」

ユーモア軍団オーディション尾関編で披露されたコントらしいですが、行った筈なのにあまり覚えてない…。ダメだなぁ、私。




終わり

シルクハットの男性(尾関)と明るくしっかり者の女性(山脇)、暗い表情のモッズコートの男性(高橋)、ピエロのお面を被った男性(A)が食事をしにやって来て、4人席が空いていないから別々でも大丈夫ですか?と店員(高佐)に言われるとこから始まる、ある種のイメージコント。

以下のこのコントに出て来たセリフ(うろ覚え)
「バラバラに座れって…俺たちに死ねって言うのか?」
「俺たちは4人で最小単位なんだ!」
「みんな、戦争は辞めろよ」
「弱虫のあんたが一人になれっこない!」
「ドラゴンを探したときも勇者の剣を見つけ出した時も」
「(店員に向かって)ありがとう、魔法使いさん」

大分偏ったイメージがあるけど、会場は大爆笑でした。

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コントのタイトルが映し出されるバックに流れていた曲を聴いたR藤本さんがアフタートークで「何か悪いことが始まると思った」と発言してましたが、なんて端的に分かりやすく表現するんだろうと感心してしまいました。
「あのバンドをよく知らないけど、なにやらファンタジーが溢れかえっている」をコントにしたらちょっとした誤解にも似た悪意がにじみ出た、そんなコントでした。

きゃりーさんは姪孫のコントは許してくれそうだけどたぶんバンドの人はこのコント見たらモメそう。ピエロの人と、ボーカルのトランシーバーはどちらが認知度があるかとやるまで不安だから、もういっそやらなくても良いのではないかと色々不安要素があったコントだったようです。

超!面白かったですけどね。



ファニーチューリップ〜単独ライブ終演後の楽屋にて〜

知的生命体(高佐)と人間(高橋)とのコンビ、ファニーチューリップと楽屋を訪問しに来た作家(尾関)との会話劇。

カラフルに光を放つ球体の姿をしている知的生命体と人という見た目は突飛なコンビだけど、ネタを反省する内容、作家のアドバイス、コンビ間の葛藤を作家が励まし、ちょっとした言い合いから始まったいざこざを作家が止めたりと、若手芸人のコンビによくありそうなシリアスな風景がそこにあるギャップが楽しい。

「知的は頑張ってると思うよ」
「ファニーみたいな良いコンビがいなくなるのもう耐えられないんだよ…!」
作家は良い人だけど、ずっと「誰に何を言ってるんだ」感は否めないのも面白かったです。

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知的生命体として使われた光る球体はドンキでAさんが購入。
「買おうか買うまいか40分迷った」8000円。

知的役の高佐さんは影ナレなので舞台袖にいるのに、知的に話しかける時は球体ではなく高佐さんの方を見てしまう尾関さん。

「(球体ではなく)僕が光れば良かったんですけど」と言う高佐さんに
「でた、勉強しすぎのヤバいヤツ!」と変な一面が垣間見えた高佐さんに嬉しそうな顔で突っ込む高橋さん。
高橋さんは、時折見せる『賢すぎるがゆえにヤバい発言をしたり妙な状態になっている高佐さん』が好きなようです。いや、好きです(断言)。

影ナレなのでセリフは全部覚えなくて読みながらでも良いのに全部覚えた高佐さんに対して
「高佐は十分光ってるよ」w
「でも自分が光っているとこは自分は分からないからな」
せきしろさん。お優しい。


裏設定として
・姪孫に出て来た高橋の傍らに居た作家と今回出て来た作家は同じ人。芸人思いの作家。
・だけど、単独終わりの訪問で椅子に座って話し込んでしまうのは良くない。廊下に単独終わりに会いたい人が待っているから。
・作家はこの日は知的生命体にダメだしした後に変なおじいさん(入れ歯かむかむ)の相手をするというとんでもない日に。
・知的はツッコミ、だがそのツッコミは強くて若い。せきしろさん曰く「トップリードみたいな」確かに和賀さんのツッコミは巧いが強め。
・知的生命体は概念。恐怖新聞みたいなもやっとしたもの。
・単独には知的生命体の親族も来ている。

反省会で語られる裏設定がいつも面白いです。




ボール

売れない芸人をしている息子を持つ夫婦がオンエアバトルに出場することになった息子の姿を通して想い想いの反応を見せる。

芸人になる事は反対している風の寡黙な父親は表情には出さないけれどオンエア日を覚えていた事に芸人としての息子の活躍をテレビで見れることを楽しみにしていたのは見て取れる。

幼い頃から人前で面白い事を言うようなことはなく性格が明るい訳ではない息子、親戚のお兄ちゃんの方が親戚の集まりで流行の物まねをするような明るい性格だから彼の方が芸人になるのではないかと話題にした事がある、でも知らないところで深夜ラジオにネタを投稿し採用もされていた息子の机の上にあった葉書を偶然見たが何が面白いか分からないと言ったら「母さんには分からない面白さもある」と言われたと番組が始まる前に饒舌且つ穏やかに思い出を語る母親。

いざ番組が始まり息子の姿を見た母親は周りがスーツ姿なのに一人普段着なのを恥じりつつ手を叩いて喜び父親は「元気そうじゃないか」とぶっきらぼうに発するも画面から目を離さない。

いざ計量シーンがはじまると「ボール余り転がってないんじゃないか?」この番組はボールがたくさん入らないと映らないんじゃないかと心配する父親。予想通り無情にもオフエアになってしまった息子。

やっぱりね、明るくなきゃだめなのよ、ほら今映ってる子達元気で明るそう、ふふふこの子達面白いわね、おかしくて涙が出て来ちゃったわ…。息子が見れない寂しさを隠すようにわざと息子を腐し先ほどより明るくより饒舌になる母親の声を聞いているのか聞いていないのか、ただ黙ってぼんやり画面を見つめる父親。そして何か思いついたように発する。

「ボールか」

息子に番組で獲られなかった(評価されなかった)ボールととも手紙を送る父親


ゲラゲラ高文の元に送られてくる父親からの箱。その中に入っていたは

「葉っぱだ!!」
「くそーまたたぬきのしわざかー!!!」

よかったー!タヌキオチで助かったー!

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Aさん演じる寡黙な父親と、年老いた優しい母親の山脇さんの演技が素晴らしすぎるコントでした。背中を丸めてテレビ画面をぼんやり見つめて動かない父親と息子を腐しながら大げさにオンエアされた芸人を褒め笑う母親の反応は正反対ながらも息子の姿が今日は見れないという残念な気持ちがこれでもかと伝わってきました。

相席はいつも最後の作品はせきしろさんが書いていて、それを見ていつも「せきしろさんは笑いの道を進む人に優しいな」と感じます。

しかし反省会でも最後の作品に関していつも話したがらないし「かなしくなるから2人でやって」と演出もしたがらないそうです。
今回もボールの事について聞かれたら「ボールは丸いもの!」wと答えていたくらいです。

でもせきしろさんの想いは作品で完結しているのでしょうからそこから気持ちを読み取るのは容易な事だと思います。

母親のセリフに出てくるような不器用なタイプの芸人をせきしろさんは気になるのかなと感じたり、応援する気持ちが先行しすぎてしまい、父親がボールを送るという結果意味も無くちぐはぐなことになってしまったけど、そこに優しさを強く感じて泣きそうになりました。あとは父親の手紙。(大分うろおぼえだけど書いちゃう)



テレビでお前の姿を見ただけでお母さんは
大喜びしていました。
それを見て分かりました。
お前の仕事は人を喜ばせる仕事なんだと。
だから高文を見るみんなを喜ばせなさい。

だけど頑張って頑張って頑張ってどうにもならなかったら
帰って来なさい。



大分端折りましたけど、見る人が見たら嗚咽では利かないくらいの号泣もののコントだと思います。

こんなに感情の振り幅を与えてくれて本当に面白いユニットコントを私は永遠に見ていたいです。

なのに何故前売りが今回も完売しない!!是非みんなに見てほしいです。

が、まずは私が友達を誘っていく事にします。いつも一人で行ってるからね…。



ルミネで追加公演のあった相席3.21には人を連れて行きましたよ!楽しんでくれたようで良かったです。