僕は空想しプランを立てる

お笑い用ブログ

すいているのに相席3.5

すいているのに相席3.5を観にルミネtheよしもと

f:id:bq_channel:20160130165657j:plain

公演1週間前にこんな絵を描いてしまうほど楽しみにしていましたよ

すいているのに相席3.5は、過去の作品と新作のミックス。

ゲストは鬼ヶ島野田さんとフルーツポンチの亘さん。

お二人とも色が違うけど、重要な役割を担ってくれましたよ!

 

 

野球へ行くつもりじゃなかった / OPVTR /  殺陣師左近3.5 / 魔王 / 雷 /  声 /  美輪さんとかくれんぼ / あいせきみんなのうたギザギザハートの子守唄」 /  恵方巻き / こどものタヌキ / J-WALK / 毒蝮三太夫ミュージックプレゼント最終回 /  モノボケ部 /  ボウリング /  天使 /  EDVTR

 

アフタートークに出演者とせきしろさん、あとゲストにリリカルスクールのhimeさんを迎えてトークをしました。せきしろさんやAさんとhimeさんの年齢差は28才あるそうですよ。年齢差が親子だ。

 

 *

 

尾関さん扮する中島がなかなか野球の誘いに乗らない磯野をなんとかして家から連れ出そうとする「野球へ行くつもりじゃなかった」はせきしろさん作。

中島が小石の位置が動いていないことや電気メータが動いていることを確認してまで磯野が家にいることを確信したり、野球を誘うことに契約書を交わしたと大人の交渉を済ませているということと「野球しに行こうぜー」という子供らしさの対比がおかしみとちょっとしたホラーを感じさせました。

尾関さんの巨体が家に入ってこようとする・入れないから外で待ち構えるという絵も言えぬ恐ろしさが襲いかかる、という意味では晩ごはんのヨネスケライン。

だから最後に笑顔の磯野が「うん!」と家から出てきた時の安堵感からでた笑いと言ったら!しかも野田さんのバカっぽい元気のいい返事と笑顔がそれを増幅させました。

 

 *

 

OPVTRが変わっていました。スーツ姿とメガネが大好物な私にとって眼福でしかない。

 

 *

 

殺陣師左近はあいかわらず男尊女卑が激しく、山脇さんに暴言吐きまくり、尾関さんを芦田愛菜ちゃん扱いしていたと思ったら、亘さんも芦田愛菜ちゃんBとして猫可愛がりしていました。左近は情緒が不安定という意味での狂気を感じます。

左近は口が悪いキャラなので時事ネタをここで放り込みまくりました。ベッキーさんのことを言っているのかな?と思ったらうつみ宮土理のことだったり、演出家が風邪で休んでいると聞いたら「稽古を休んでいいのは、自分が死んだ時と、学校に侵入して捕まった時だけだ!」とここにいるはずの人を見事に身内でネタにしました。左近の口の悪さが見事に活きましたね。

見たらCDショップに逃げ込めという口裂け女と、「左近、これじゃタテ(殺陣)じゃなくてヨコだな」でおなじみの越前蟹先生というこのコントでずっと謎の存在だった両方を野田さんが演じていました。

殺陣師左近は再演が多いし、ルミネの公演でもAさん意外のメンバーを変えてやっているので、いつ見てもセリフが違うし、展開が広がるから何回見ても楽しい、そしてやっぱり「左近、こえーな」という感想がぬぐえない、ブレない、素晴らしいコントだと思います。

越前蟹先生が着物のしたに蟹のイラストのTシャツを着ていたとこも見逃せませんでしたよ。

 

 *

 

フレンドパークとギースの歌声に酔いしれる名作「魔王」

 

Aさんの長さんモノマネにますます磨きがかかる「雷」。雷はブーさん役を前回は尾関さんでしたが今回は野田さん、仲本さん役は亘さんが。野田さんが山脇さん扮するシータに「ウクレレ、弾けるの?」と聞かれた時の恥ずかし嬉しそうな顔がちょっと気持ち悪さを醸し出しつつ、堪らなくよかったです。

 

いっこく堂の『声が遅れてくる』という世紀の大発見、最大の技術が仇となった「声」

 

相席1で見事に耽美な青年を演じていた高佐さんの代わりに、今回美輪さんを探し出す役目を担ったのはなんと野田さん!実は2011年の野田さんの単独の時に「美輪さんとかくれんぼ」をやっていて、元祖がまた観れた、ということでしたが、2011年の単独見に行ったはずなのにすっかり忘れていました…。野田さんが演じる耽美はコミカルで楽しかったです。野田さんが温泉旅行に行った時に「ああ〜ステキ〜」と乙女のような発言をしたというエピソードを思い出しました。

 

恵方巻きはちゃんと毎回今年の恵方を言わなきゃいけないので再演のたびに変わる恵方に山脇さんが苦労されたそうです。尾関さんの「ああ、あの痴漢を捕まえた友達…」とここでもネタにするかのようなセリフが。

 

こどものタヌキ、今回は亘さん。こどもタヌキは再演のたびに人が変わる。

 

 

 今回一番の怪作新作コントだったJ-WALK 。J−WALKのライブに来たカップル(ヒロトの時のカップルとたぶん同じ)が『何も言えなくて…夏』のフレーズがループしていることに気づきそこからSFチックな展開が待ち受けるタイムリープもの。「J−WALKに閉じ込められている!」、J−WALKリーパー、「夏が終わらないんだ!」など名言・名フレーズも多数飛び出しました。解決方法が「次の曲をリクエストする」で「つーぎのーきょく!」と必死にコールする様が滑稽やらなんやら。抜け出す光が見えたと思った直後に流れてくるあの奇妙なテーマソングに暗転中本気でゾっとしました。

 

 *

 

大沢悠里のゆうゆうワイドが終わるというタイミングでまむちゃんコントが再び見れてうれしかったです。巣鴨に生まれた時空の歪みに悪者と一緒にデートと洒落込むまむちゃんが世界を救う、下手したら涙を誘いかねない結構王道のヒーローものなのに、ラストの「提供は太田胃散」の友里さんの穏やかな声が全てを打ち消す。この世界はどんなことがあろうと大沢悠里の手のひらで踊らされているのだ。なんてねー。

 

モノボケ部。大喜利部に続くバトル系少年漫画コント。バナナを前に突き出す動作を1000回繰り返すというトレーニング方法が楽しい。大喜利部では烈火という火属性の敵が出てきましたが、今回は白学ランに青い長髪という姿の氷属性・氷河というキャラが出てきました。氷河を倒そうとした後輩役の野田さんが敵の攻撃により氷にされたり、氷にされた野田さんを逆に利用して危機を乗り越えたり。

春が来て氷の呪縛から逃れた野田さんは春キャベツの美味しさを知る。春キャベツは甘みと水分が豊富。

101回目のプロポーズ、ナットを結婚指輪にしたシーンを「武田鉄矢モノボケ」とする視点に痺れる。

 

 

ボウリングは珍しいAさんとせきしろさんの共作。Aさんのギャグライブでやったものでしたが、その時にあまりにもウケなかったので、自分以外の誰かにやらそうとしていましたが、まさか野田さんで観れるとか。

 ギャグライブ終わりのAさんのツイート。共有だった春キャベツ。

 

 

パトラッシュとネロがルーベンスの絵を見届けてから始まる「天使」。ネロとパトラッシュを連れていく天使は実はアルフィー高見沢さんのギターの天使だった!そこから星空のディスタンスで歌い、踊るネロとパトラッシュ!コントと思いきや踊りあり、歌ありのエンターテイメント!踊るネロ高佐とパトラッシュAさん。高佐さんは自分がアイドルフェイスだと割り切ったのかどうかわかりませんが、それはお笑いの上で武器であると吹っ切ったら本当に面白い!天使の羽をつけて笑顔で歌い踊りまくる姿は2.5次元のミュージカル!そう、これは通称「フラミュ」フランダースの犬ミュージカルだったのです!あのテニスの王子様とかハイキュー!のミュージカルとかと同類です。キラキラ笑顔を振りまくネロ高佐の激しいダンスにこれまたしっかりとついていくパトラッシュA(元天素)、そして物語の扮装をして出てきた共演者たちが客席に降りて煽るさまは本当にキラキラしていました。

「次回はらんま二分の一のミュージカル、通称『ランミュ』でお会いしましょう!」

 

相席のラストコントはいつもしんみりものが多いのに、今回は本当に明るい、楽しいコントで終わりました。

 

 

と思ったらEDVTRにとんでもない涙トラップが仕掛けられていて、あんなにすすり泣く声がクリアに聞こえたルミネは初めてだったかもしれません。本当に…やってくれたなぁ…やりやがったなぁ…。

 

 

しんみりしたEDVTRのあとにすぐに出演者とせきしろさんが出てきて、ちょっと言葉に詰まるような雰囲気になりそうでしたが、ゲストを呼び込んで野田さんが開口一番「たぁのしかったなぁ!」とあの元気な声で心からそう思っているんだろうなって感じる笑顔で言ってくれたのでウエットな気持ちが全て吹き飛びました。そういう意味では今回野田さんがいてくれて本当に良かったです。亘さんも地味ながらもいなければいけない穴をしっかり埋めてくれて本当に頼もしかったです。

 

 

休憩後ゲストのリリスクhimeさんを呼んでトークを。春に公開するリリスクさんの映画にAさんが出ているそうですよ。

A「(リリスク)みんないい子で頑張り屋さん!」親戚おじさんさんみたいな言い方!

 

17歳ということで出演者と年齢が離れているという話を皮切りに、ドリフの雷様は知ってるか?とかうつみ宮土理は?J-WALKは?と次々確認して行ってジェネレーションギャップを感じるおじさんたちが可笑しい。J-WALKは知らないみたいですけど、楽しんだようですよ。最終的に「銃は知ってる?」「春キャベツは?」と聞いていく面々。A「春キャベツは(今日出た中では)一番有名ですよ」w

 

そしてドクサくさに紛れて「僕のダンスはどうでした?」と聞く高佐さんw「すごい盛り上がりました!」とhimeさん。優しい子!

 

途中ですごい動きしたよね!と高佐さんを褒めようとそのダンスの部分を再現しようとしたが、全く再現できず全然伝わらなくて不本意そうな野田さんが可哀想やら面白いやら。

 

フラミュの振りを10分で覚えたAさん。ハイキュー!が大好きな山脇さんは2.5次元ミュージカルも知っているので他のメンバーの踊りや立ち振る舞いを指導。そのあまりに他のメンバーを「ジュニア」と呼んでいたそうです。業界用語かな?

 

今回のコントの中だったら亘さんがやった「こどものタヌキ」がやりたいとhimeさん。「振りも簡単ですしね」と交互に手足を動かす動作をしたら「あんなの『振り』とかいうな」そんな大層なものじゃないといいたげなAさんがチクっと。ありゃー。

 

ボウリングは1分もないコントでしたが、5歩で投げるとか振りを細かく指導していくにつれ全然できなくなっていく野田さん。「わけがわからなくなってぇ」と弱音を吐く野田さんに、「イップスみたいな」と亘さん。スポーツ障害か。

 

春キャベツがボウリングとモノボケ部に出てきて「リンクした!」と嬉しそうに語るhimeさんに「リンクが好きなんだね」と精一杯話を合わせようとする尾関おじさん。

 

あとは恵方巻の色っぽい起源をAさんが語ったり、恵方巻きロールという存在におじさんたちが驚いたり、口裂け女はぬーべーとかで知ったの?とAさんがhimeさんに尋ねたり、野球のコントで磯野の家にピッキングして入って来る中島のシーンでの尾関さんの正面顏が気持ち悪いとか野田さんに言われていました。

 

そして相席4が座・高円寺でGW公演という発表があって終了。

 

 

当初、3.5は高橋さんの為の公演だったと聞いていました。数ある相席のコントで「これとこれは繋げられるな」と話し合っていたら物語のキーになる人物として高橋さんが多く担っているから「3.5は高橋の為の公演だった」と、Aさんとせきしろさんのトークライブで話していました。

 

件の報告を受けて書き直したとされる新作のコントはどれも面白かったし、コント中に件のことをネタにするセリフが数回出てきた、と思いきや、EDVTRでは「少なくとも自分たちはこの席をあなたのために空けておく」という意思表明を最後の最後に見ることができました。

 

思えば言葉より先に『#nowplaying The Birthday 涙がこぼれそう』と多くを語るより一曲に託したせきしろさん、相席を中止にしないという英断を下し後日コラムを掲載したAさん。二人の姿勢は事件直後もずっと変わらず「愚かなことをしたが彼を待ち、受け入れる」を一貫していました。

 

そうそう、客入れの曲はメンバーが選曲したそうです。

baby don't cry 安室奈美恵 

必要になったら電話をかけて アナ

東京は夜の7時 ピチカートファイブ 

スローなブギにしてくれ 南佳孝 

こんな私でよかったら 吉川友 

ONE LOVE ボブマーリー

タイトルからしてだったり、歌詞を見れば「早くあなたに会いたい」とか、八重歯あったなぁとか、いろいろ連想できて、メンバーからのメッセージとして受け取れるものばかりで。

 

私のように罪を憎んで人を憎まず、と愚か者の笑いの才能にやられて今後どうなるかわからない影や匂いを追ってしまう、いわば迷える石の下の虫のような人間にもユーモアのメンバーは変わらず道筋をつけてくれる、そんなように感じた今回の相席。

 

相席は続く、高橋さんが戻ってくる余地を残して。

 

 *

 

ぐちゃぐちゃ言いましたが、すいているのに相席はただただ面白く素晴らしいコントライブです。相席が出来る限り続けばいいなと思っています。